コンビニやスーパーなどでもプラスチック製の買い物袋が有料になり、ますます環境へのエコ意識が問われている現代。これは決して他人事ではなく、企業や個人も環境問題に配慮した企業活動を求められることを意味します。そのような時代には、企業や個人としての環境への配慮を示す必要があり、その有効な手段がエコノベルティグッズです。現代の環境問題の当事者の1人として、エコノベルティグッズによる環境に配慮したプロモーションについてご説明していきます。
様々な場所で都市開発が進んだことで、私たちを取り巻く環境問題は日々、深刻なものになっています。その中でも、特に私たちの日々の生活と密接に関係しているのは「海洋汚染問題」と「地球温暖化」です。
【プラスチックごみによる海洋汚染問題】
私たちが日々何気なく使っているプラスチック製品によって、海洋汚染が深刻化していることはご存知でしょうか。
現代では年間少なくとも800万トンのプラスチックごみが海に流れこんでいるといわれていて、プラスチックごみは多くの海洋生物を死に至らしめます。フィリピンの海岸に流れ着いたクジラの体内から、40キロものプラスチックごみが発見されたことは世界に大きな衝撃を与えました。ウミガメが餌であるクラゲと間違えてプラスチックごみを食べてしまい、死んでしまうことも今では珍しいことではありません。海洋ごみによって絶滅危惧種を含む700種もの生物が傷つけられたり死んでいますが、このうちの約90%はプラスチックごみによるものなのです。
またプラスチックごみは、紫外線や波の影響で細かく砕けます。この砕けたプラスチックごみは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、表面から汚染物質を吸収した目に見えない汚染物質の運び屋になってしまいます。このマイクロプラスチックを海洋生物が飲み込むことで汚染物質が体内に蓄積し、食物連鎖の中で様々な生物へと汚染物質を運ぶことになります。もちろん、私たち人間も例外ではありません。プラスチックごみは汚染物質をいろんな生物の体内へ運び、長い期間をかけて生物に悪影響を与えていくのです。
【温室効果ガスによる地球温暖化】
地球温暖化を聞いたことがない人はいないでしょう。地球の気温が上昇して、干ばつや海面の上昇などの水問題を引き起こしたり、急激な環境の変化によって生物が絶滅するリスクのある深刻な環境問題の1つです。地球温暖化は、人間活動による温室効果ガス(CO2やメタンガスなど)の増加が原因である可能性が高いと言われています。
18世紀半ばの産業革命の開始以降、人間活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより大気中の温室効果ガスの濃度が急速に増加しました。化石燃料などの使用によって温室効果ガスの排出は増加する一方、温室効果ガスを吸収する森林は減少したため、大気中の温室効果ガスの割合が急激に増加したのです。そうして大気中に温室効果ガスが多くなったことによって、大気の温室効果が強まったことが原因とされています。
日本の温室効果ガス排出量の約2割は、給湯や暖房、調理のためのガスの使用、電気製品の使用、それに自家用車の利用といった個人の活動によって排出されています。一方、残りの8割は主に製造・建設・農林水産などの産業によるものや運輸、商業・サービスなどの企業の活動によって排出されています。そのため、個人はもちろん、企業は地球温暖化と無縁ではいられないのです。
企業はただ慈善事業として環境問題に取り組む必要があるのかといえば、必ずしもそうとは限りません。環境問題に取り組むことで、実利的に得られるメリットも存在します。それは、「プロモーション」という観点からです。SNSやインターネットを通じて企業イメージが即座に伝わるこの時代には、企業のブランドイメージは利益に直結します。環境問題に主体的に取り組む企業だと認知されることは、企業のブランドイメージにポジティブな影響を与えます。
また多くの企業では宣伝・プロモーションをせずに商品を売ることはできないので、必然的に宣伝・プロモーション活動をすることになるでしょう。しかし、現代の消費者たちは、売り込まれることを極端に嫌います。宣伝・プロモーションだからといって、売りたいものを一方的に伝えることはもう許されない時代になってきています。そのためプロモーションには、「消費者が自ら選びたくなる仕掛け」が必要です。そこで有効な手の1つが、環境問題に取り組むことです。消費者としては、環境問題に配慮したエコなグッズを手に取ることは、「自分も環境問題に配慮している」ことになります。そのため消費者としては、環境問題に取り組む企業の活動には積極的に関わりやすくなるのです。
つまり現代では企業の一方通行の宣伝活動費にお金をかけるよりも、環境問題に取り組むプロモーション活動にお金をかける方が、倫理的な観点だけではなく、実利的な観点でも効果的なのです。その中でも、エコノベルティグッズを活用したプロモーションは、企業の形態問わずにできる特に有効なプロモーションです。ここからは、企業のプロモーションに有効なエコノベルティグッズについてご紹介していきます。
エコノベルティグッズとは、環境への配慮を促すグッズや、環境に配慮した素材を使ったグッズのことです。環境への配慮を促すグッズは、例えばエコバッグを配布することで、プラスチック袋の利用を減らそうとする、といったものです。環境に配慮した素材を使ったグッズは、例えばプラスチックを再利用することで、新たなプラスチック製品の使用を減らそうとする、といったものです。エコノベルティグッズには「プラスチックの利用を減らそう!」「森林伐採や化石燃料の利用を減らそう!」といったメッセージが裏に含まれているので、どのような環境問題を意識しているのかによってグッズは変わります。
【レジ袋の使用を減らす】
2020年の7月にはコンビニやスーパーでもレジ袋有料化が始まるように、レジ袋の利用を減らすことで、海洋プラスチックごみを減らそうとする動きが加速しています。そのような流れを汲み、レジ袋の代わりになるグッズを配布することで、環境問題への配慮を示します。
・エコバッグエコバッグは折りたたんでカバンに入れられる、コンパクトなバッグです。ちょっとした買い物にかさばるバッグを持つのは嫌なので、カバンやポケットに入るコンパクトなエコバッグは実用性が高く、喜ばれやすいです。
・トートバッグトートバッグはエコバッグよりも、見た目に配慮したバッグです。トートバッグは普段使いもしやすいので、買い物以外にも広い用途で使ってもらうことができます。
・お買い物バッグお買い物バッグは、買い物かごにすっぽり収まるバッグです。買い物専用のバッグになりますが、スーパーで買い物かごから写すことなくそのまま持って帰れるので非常に便利です。
【ペットボトルの利用を減らす】
ペットボトルも、海洋プラスチックごみの大きな原因になっています。ペットボトルの利用を減らそうとする活動を通じて、環境問題への配慮を示します。
・サーモボトル
保温機能のついたボトルです。家やオフィスで作っておいた暖かい飲み物や冷たい飲み物を、1日中暖かいまま、冷たいまま飲むことができます。家やオフィスで飲み物を用意できることで、ペットボトルの飲み物を買う回数を減らすことができます。
・ミニボトル
最近は飲みきりサイズの小さなミニボトルも人気があります。カバンにすっぽり収まるコンパクトなボトルは、特に女性に支持されています。
【使い捨て製品の使用を減らす】
プラスチックカップやビニール傘といった使い捨ての製品は便利ですが、すぐに捨てられるので海洋プラスチックごみの増加に繋がります。また、割り箸や紙カップの製造は森林伐採や化石燃料による地球温暖化に繋がります。これら使い捨て製品の利用を減らすエコノベルティグッズを配布することで、環境問題への配慮を示します。
・マグカップ
マグカップは、使い捨ての紙カップやプラスチックカップの使用を減らすことに繋がります。オフィスや家に1つはほしいものなので、喜ばれやすいグッズです。
・折り畳み傘
急な雨などでの、使い捨てのプラスチック傘の利用を減らすことに繋がります。意外になくすことも多い上、別のカバンに入っていて使えないといったこともあるため、ニーズはあるものです。
・お箸
お箸を配布することは、使い捨ての割り箸の利用を減らすことに繋がります。名入れのお箸など、記念品的に贈ることで喜ばれるでしょう。・アルミ製
ストローストローの利用を減らすことで、ストローがプラスチックごみになることを防げます。マイストローを持っている人は少数派なので、意外なところをつくことができます。
【リサイクル素材を使用する】
リサイクルの素材を利用したノベルティグッズも、環境問題への配慮を示すグッズになります。新しい製品を作ることは、製造過程で温室効果ガスを生み出すことに繋がり、また新たなごみを排出することにも繋がります。リサイクルは、その悪循環を断ち切ろうとする1つの活動です。
・再生紙を使用したグッズ
古い紙などを再利用した再生紙を使ったメモやノートは、紙の製造にかかる木材や燃料の利用を減らすことに繋がります。1グッズあたりのコストは低いので、多くのグッズを配布する必要があるときなどに有効です。
・間伐材を使用したグッズ
木材としての利用を目的としない間伐材を使用したグッズは、森林伐採の数を減らすことに繋がります。木材を使って作るグッズをノベルティとして配布する場合は、積極的に間伐材を使うことで環境問題への姿勢を示すことができます。
環境問題に積極的に関わることは、倫理的に企業へ求められているだけでなく、現代のプロモーションにはなくてはならないこと。そしてその最も身近な関わり方こそ、エコノベルティグッズによるプロモーションです。企業の実利的なプロモーションとして、そして環境問題の当事者としての倫理的な活動として、エコノベルティグッズを活用したプロモーション活動を行ってはいかがでしょうか。